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無料ドメインメールの落とし穴|SSL非対応の危険性と見抜き方



無料ドメインメールの落とし穴|SSL非対応の危険性と見抜き方

ホームページ制作会社のサービスの中には、「独自ドメインメール無料提供」といった特典がよく見られます。
しかし、その一部が暗号化されていない(非SSL)メールで運用されていることをご存じでしょうか。

特に医療機関や士業など、個人情報を扱う事業者にとって、非SSLメールは重大なリスクになり得ます。


目次

1.「ドメインメール無料」=安全とは限らない

独自ドメインメール(例:info@●●●●.com)は見た目の信頼性が高く、ブランディングにも有効です。
しかし、通信が暗号化されていない環境では、送信内容がインターネット上で「はがきのように」読めてしまう状態です。

非SSLメールの典型的な特徴:

  • 送信ポートが25番(平文通信)のまま
  • SMTP/IMAPでTLS未設定
  • SPF・DKIM・DMARC未設定(なりすまし防止なし)
  • 共有サーバー証明書を使い回している

「送受信できる=安全」ではありません。暗号化されていない通信は、盗聴・改ざん・漏洩のリスクがあります。


2.なぜ非SSLメールを提供し続ける制作会社があるのか

2025年現在でも、一部の制作会社が非SSLのままメールを提供しています。理由は主に以下の4つです。

  1. コストと手間を削減したい
    SSL証明書更新やTLS設定の運用コストを省いている。
  2. 顧客が気づかない
    技術知識のない顧客層を前提に、非SSLのまま提供しても問題視されない。
  3. 囲い込み構造
    自社サーバー内でメールを管理することで、顧客が他社へ移行しにくくしている。
  4. セキュリティへの理解不足
    通信セキュリティの知識が古い。

しかし、これらは「提供者の都合」であって、利用者の安全を守る姿勢ではありません。


3.SSL非対応メールの危険性

SSLが設定されていないメールは、次のようなリスクを伴います。

  • 通信経路上で内容が盗聴・改ざんされる
  • 患者・顧客情報が漏洩する(法的リスク)
  • 送信元が偽装され、なりすましメールが発生
  • Gmailなどで「安全でない通信」と警告表示される

非SSL通信は、個人情報保護法・厚生労働省ガイドライン・IPAガイドラインすべてでリスク行為とされています。


4.SSL対応メールは今や“無料”で実現可能

Let’s Encrypt(無料SSL)が標準化され、現在は追加料金なしで暗号化通信が利用できます。

サーバー名SSL対応備考
さくらのレンタルサーバー自動更新・独自ドメインOK
Xserver無料独自SSL+SPF/DKIM対応
ConoHa WING医療法人・士業で多数採用
ロリポップ(スタンダード以上)Let’s Encrypt対応済み
カラフルボックス無料SSL標準装備

技術的制約ではなく、「更新していないだけ」で非SSLが残っているケースが多いのが現状です。


5.契約前に確認すべき質問

ホームページ制作会社やサーバー提供業者に、以下を必ず確認しましょう。

  • 「メール送受信はSSL/TLS対応ですか?」
  • 「SMTPポートは465または587ですか?」
  • 「SPF・DKIM・DMARCの認証設定は実装されていますか?」

これらに即答できない会社は、セキュリティへの理解が不足していると判断してよいでしょう。


6.公的エビデンス(出典)


7.まとめ

SSL非対応メールは、通信上の安全性だけでなく、信頼・法令遵守・ブランドにも悪影響を及ぼします。
「無料だから」といって安心せず、暗号化通信が行われているか必ず確認しましょう。

SSL対応はコストではなく、“患者・顧客の信頼を守るための最低条件”です。


※本記事は公的ガイドラインや一般的なセキュリティ原則に基づいて執筆したものであり、特定の企業・団体の営業活動を妨げる意図は一切ありません。
目的は、業界全体における情報セキュリティ意識の向上と利用者保護にあります。

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